昆虫はなぜ無益な殺し合いをしないのか? サソリの実験を通してファーブルは「人間の生死」の問題に向き合う。第4回では、ファーブルが晩年に到達した死生観に迫る。 55歳になったファーブルは、荒れ地を買い、植物を植えて昆虫の楽園を作った。そこで観察をしながら昆虫記を書き続けた。戦争が続発する時代、ファーブルはサソリを使った実験を行う。サソリが攻撃するのは餌となる生き物だけで、他とは決して戦おうとしなかった。不必要な殺りくを行うのは人間だけであり、死について知っているのも人間だけだとファーブルは考える。第4回では、ファーブルが晩年に到達した死生観に迫る。