アラビアンナイト(千一夜物語)はどのようにして生まれたのか?その意外な歴史を探る。また広く知られている児童文学では省略されてしまった部分にもスポットを当てる。 千一夜物語が生まれたのは9世紀の中東。当初収められていた物語の数は200話程度だったが、時代と共に増え、今日のような物語集となった。しかし一般になじみがあるのは、そのほんの一部に過ぎない。というのは、子ども向けではない話が多く含まれているからだ。第1回では、物語の軸となっている美女・シェヘラザードに焦点を当て、大人になった今だからこそ読めるシーンを織り込み、その意外な全体を明らかにする。