19世紀末、革命前夜のロシアでは従来の価値観が崩れ若者達が進むべき道を模索していた。「かもめ」の登場人物も常にさまよい続けている。現代日本に通じる普遍性を探る。 「かもめ」に登場する文学青年は、作家になる夢を果たしながらも迷い続け、かつて恋人だった女優志望の少女は名を成せず、私生活では離婚などボロボロになりながらも生きる道を求め続ける。19世紀末、革命前夜のロシアでは、それまでの価値観が崩れ多くの若者たちが成すべき事を模索していた。人生において、自分が本当にすべきことは何か。チェーホフの投げかけた問いを、今の私たちに重ねながら考えていく。