宝暦二年、オランダは最新式軍用銃を安価に提供する見返りに、無条件和親条約を幕府に求めたが、将軍家重は、これを拒絶。オランダは、交渉相手を雄藩薩摩に切りかえた。そのため家重は、腹心の影武者錣市兵衛を薩摩に向かわせた。途中川止めになった大井川で、老中牧野豊後守の放った隠密陽炎と、薩摩藩江戸家老伊集院右京が、幕府隠密を見張るために放った隠し目付曲垣藤九郎と、市兵衛は知り合った。陽炎は、薬商与藤次を尋ね、謀叛の証拠を集めようとした。市兵衛は、過激派で山嶽党頭領かつ薩摩藩大目付の掟山二階堂をさぐり、新式銃の所在を知り、破壊しようと桜島に渡った。桜島で市兵衛は、山嶽党員茜にあやしまれ、命をねらわれた。が逆に、砦に案内させ二階堂に会見を求めたが、捕えられ、断崖から突き落されたが、危うく死はまぬがれた。その時、市兵衛は、二階堂のもたらした言葉から、与藤次の薩摩への寝返りと、新式銃がまだ薩摩の手に渡っていないことを知った。陽炎は、山嶽党員に捕えられ、処刑されそうになったが、これを見た与藤次は、心の痛みに耐えかね、陽炎を救おうとしたが見つかり、惨殺された。しかし陽炎は、茜、市兵衛に助けられた。その頃、オランダ船上で銃売買を含む和親条約の調印が行われていた。それを知った陽炎は、一人港に斬りこもうとし、市兵衛は陽炎の身を案じた。そんな市兵衛に茜は嫉妬し、陽炎を密告した。再び捕われた陽炎を助けに、オランダ船に乗りこんだ市兵衛は、右京を倒し、新式銃に火薬をしかけ、海へ逃れた。船は、赤々と火炎を吹上げて沈んでいった。
Name | |
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Shigehiro Ozawa |
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