横浜を流れるドブ川のような運河に一隻のボロ船・水上ホテル「レンゲ荘」がつないである。ある日、この船に白い洋服の似合う、清楚な娘が現われた。船の持主おきんは、この娘マリには何も聞かず泊めてやることにした。この船の住人のマフィア、ハッケは今だかつて見たことのない程の美しい娘を襲うべく、真夜中、寝室に浸入したが、なんとマリだと思っていたのがおきんだったので大騒動。翌日からマリは、おきんの紹介で食道船「末広」に働くことになった。ある日、マリに暴力団京浜会の大津の魔の手がのび、マフィアに十万円でマリを売れと迫り、金を渡す。金を受け取ったもののさすがに気がひけたマフィアはマリに金の使い途を聞くと意外にも、競艇がしたいというので皆驚く。喜んだマフィア達は競艇に行くが、儲けたのはマリ一人で八十万円。その金も全部大津にまきあげられるが、マリは笑ってマフィアを許すのだった。数日後、マリは父の再婚相手の恵子と偶然会った。家出の原因はこの恵子があまりにも若く、バーのホステスだったため、思春期で多感なマリは、ショックを受けてしまったのである。恵子はマリの父を本当に愛しているのだと告白する。が、マリは、逃げるようにその場を離れ、丁度居会せた昭夫のヨットに乗り込み、何処へでも連れて行ってくれと頼む、台風が近ずいているのも知らず……。荒れ狂う海に、木の葉のように舞うヨット、二人はやっとの思いで救出された。翌日、恵子が病院からマリを家へ帰ろうと背負って連れ出した。道々、恵子は汗だくになりながら、マリに優しく、強く父との結婚を理解してくれるようにと云う。マリはそんな恵子の背中で、父に対する恵子の愛を理解し“ママ”と心の中で呼ぶのだった。
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