2020年11月の深夜、バス停のベンチで北林三知子が仮眠をとっている。そこに男が通りがかり、拾った石を入れたコンビニ袋を三知子の頭に振り上げた―。
三知子は45歳の一人暮らし。自作のアクセサリーを販売する傍ら、焼き鳥屋で住み込みのパートとして働いていたが、コロナ禍で仕事と家を同時に失ってしまう。実家や友人を頼ることもできず、新たな職も見つからない。スーツケースひとつで街をさまよい、三知子はいつしかホームレスになっていた。ホームレスの集う公園にたどり着いた三知子は、「派手婆」と「バクダン」と呼ばれる男性と出会う。
一方その頃、三知子の働いていた焼き鳥屋の店長・寺島千春はコロナ禍に翻弄され、店の経営や従業員への対応、上司である店のマネージャー・大河原のパワハラに悩まされていた。そこで千春は、退職を覚悟で「ある行動」に出ることにする。
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