入間みちおがイチケイを去ってから2年。 岡山県秋名市に異動したみちおは、とある傷害事件を担当することとなった。事件は主婦の島谷加奈子が史上最年少で防衛大臣に就任した若きエリート政治家・鵜城英二に包丁を突き付けたというもの。事件の背後には島谷の夫が犠牲となった貨物船と海上自衛隊イージス艦の衝突事故[注 8]があり、その事故も不審点だらけのものだったが、イージス艦の航海記録は全て国家機密に該当するため、みちおの伝家の宝刀たる職権発動も通用しない。 一方、裁判官の「他職経験制度」を活用して弁護士に転身した坂間千鶴は、奇しくもみちおの赴任先の隣町に配属され、地元の人権派弁護士・月本信吾とバディを組むこととなった。人々の悩みに寄り添う月本に次第に心惹かれていく坂間だったが、そんな中、町を支える地元の大企業・シキハマ株式会社のある疑惑が浮上する。 二つの事件に隠された衝撃の真実。それは、決して開けてはならない「パンドラの箱」だった。
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