陰気な容姿のせいで霊感があると恐れられ、「貞子」というあだながついている黒沼爽子。 周囲に避けられることに慣れてしまっていた爽子は、わけへだてなく接してくれる風早翔太に憧れている。 自分を変えたいという爽子の背中を押してくれる風早や、矢野あやね、吉田千鶴、真田龍といったクラスメイトたちとの関わりの中で、爽子は少しずつだが自分の殻を破っていく。 ピュアな爽子が友情や恋、ライバルや友達の失恋などいろんな「初めて」を知っていく過程を、丁寧に描いていく学園青春ストーリー。
黒沼爽子は、見た目が暗く何もしていないのに周りから怖がられ、「貞子」というあだ名まで付けられている。しかしその見た目とは裏腹に、とても健気で善意のかたまりのような女の子で、座右の銘は「一日一善」。ただし、周りのことを第一に考えすぎるため、自分のことをうまく伝えられず、クラスからは浮いた存在だった。そんな爽子のクラスメート・風早翔太は爽子とは正反対で、明るく誰に対しても分け隔てなく接する男の子で多くの人から好かれている。爽子に対してもみんなと同じように明るくフレンドリーに接してくれるため、爽子は憧れと尊敬の念を抱く。一方、風早はいつも人知れずクラスのために働く姿や、実はとっても前向きな爽子に特別な感情を抱いていたのだが、爽子の尊敬の眼差しにしばらくは恋愛感情をおいて温かく見守ることを誓う。
高校1年生の黒沼爽子は長い黒髪と青白い肌から「貞子」というあだ名で呼ばれ、クラスから孤立していた。ひとりぼっちの学校生活をおくるなか、噂を気にせずに爽子に話しかける男子生徒が現れる。明るい性格で男女問わず人気を集めるクラスの中心人物、風早翔太だ。彼だけは爽子がクラスメイトのために嫌な作業を引き受けていることを知っていた。風早と接することで他のクラスメイトとも徐々に打ち解けていく爽子。夢だった高校生活を過ごしていくなかで、風早に対しての気持ちにも変化が訪れ…?